大好きだよ。
「大好きだよ、俺も、大好きだっ」
言葉を紡ぐ度、少しずつ自分の身体が薄れていくのがわかった。
ああ、消えるんだ。そう思ったけれど、不思議と怖くはなかった。
「ゆうすけ、大好き」
「俺もだよ」
彼女の言葉一つ一つに、俺は応えた。
意識が途切れるその時まで、応え続けた。
「はるか、俺も━━」
最後に、霞んだ視界に映った彼女は、ひどく驚いた顔をしていた。
そこで、俺の世界は暗転する。
「っ━━!!」
「どうした、はるか」
「今……今っ、ゆうすけの声がしたっ。大好きって、俺もっ、大好きだよって━━」
大好きだよ。
いつか、君が俺を想い出にできることを願ってる。
いつか、君が俺にくれたような幸せを掴んでくれることを願ってる。
━━だけど。
だけど、どうか今だけは俺のために泣いて下さい。
本当に、本当に君に出会えて幸せでした。
ありがとう。
大好きだよ。
fin