whait rose
一面に広がる赤と白と黄色の花
その中に一人佇む男の子
泣いてるの?
あたしの声は届かないまま
男の子一人すら救えない無力さ
いきなり手からあの温もりが消えた
雪華は男の子に駆け寄った
「どうしたの?」
雪華はあたしに出来ないことも
なんでも出来る
「僕、一人なんだ」
男の子は泣きながら答えた
「あたし逹と一緒においでよ」
やっと声が出た
「いいの?」
駄目な訳ないじゃない
言葉の変わりに自然に手を差し伸べていた