whait rose
でも今思えば変だ
何気無く手をとって
物心ついた時から
少女はいつだってあたしの隣にいた
とても懐かしくも感じる
少女はいつだってあたしを優先させた
それなのにあたしは
名前すら分からない
自分の事も少女の事も
何一つあたしは知らない
痛い 心がイタイ
思い出せない
頭に過るのは
「大好きだよ」
「幸せだった」
「愛してる」
「俺も会いたい」
優しい男の子の声
少女の事は何も覚えていない
なにを失ったかも分からない
「あたしも幸せだったよ」
「いやああぁあぁああ!」
「ごめんねごめんね!…」
「あたしのせいだ」
「雪華!柊!」
なに?
話し声?
違う
あたしの声…
叫んでる
泣いてる
いやああぁあぁああぁぁあぁ