Night Walker
「やあ。漸く来たね、新入り君」
姿を現した、金髪の若い男。
と、言っても若く見えるのは、見た目だけ。
吸血鬼は簡単には死なない。
歳をとる事も無い。
よって、彼は見た目通りでは無い。
勿論、ドラク自身も。
「お初にお目にかかります。ご挨拶が遅れました事、深くお詫び申し上げます」
「あぁ、そのようだね。君の事は、先に挨拶に来た者から聞いているよ」
にこやかに笑うドラクは、手を上げて横にある椅子を勧める。
男は勧められた椅子に身体を預けると、唐突に本題に入った。
「さっきいたのは、私の花嫁を連れ去った男ですよね?」
「それが、何か?」
「付き合う相手は選んだ方が良いと思いますよ。ドクター?」
はて、と首を傾げるドラク。
男は、嘲る様に唇の端を上げて笑った。
だが、ドラクは相手になろうとしない。
『私を挑発しようとしているみたいだが……まだまだ子供だなぁ……嘗められていると言う進言も、あながち間違いでは無いと言う事か』
「津那魅君は、この帝都に住む我々の、よき理解者だからね。付き合いは止めないよ。君こそ、彼に逆らわない方が良いね」
「はっ! 貴方もお歳を召した訳ですか。ドラキュラ伯爵ともあろう方が、あんな若僧相手に媚びを売るとは」
「若僧? 君は彼をそんな風に見たのかい?」
驚いたふうに見せるドラクのわざとらしさに、津那魅なら閉口して肩を竦めるのだろうが、この青年、付き合いの無さに、ドラクの腹の中すら探れない。
見たままに読み取って、
「何か間違いでも?」
と、問い直す。
そんな彼の問い掛けをあっさりと無視して、
「君、歳いくつ?」
と、ちぐはぐな質問を口にして、ドラクはじっと青年を見た。
緋色の瞳が一層赤く濁り、青年をい抜く。
吸血鬼の瞳には力がある。
特に、ドラクの正体はドラキュラ。
青年ですら抗えない。
そんなドラクの瞳にも、微動だにしない津那魅は、彼から見ても『脅威』以外の何物でも無い。
『そんな津那魅君の真、の強さも計れないとは、こいつ長く無いな……』
姿を現した、金髪の若い男。
と、言っても若く見えるのは、見た目だけ。
吸血鬼は簡単には死なない。
歳をとる事も無い。
よって、彼は見た目通りでは無い。
勿論、ドラク自身も。
「お初にお目にかかります。ご挨拶が遅れました事、深くお詫び申し上げます」
「あぁ、そのようだね。君の事は、先に挨拶に来た者から聞いているよ」
にこやかに笑うドラクは、手を上げて横にある椅子を勧める。
男は勧められた椅子に身体を預けると、唐突に本題に入った。
「さっきいたのは、私の花嫁を連れ去った男ですよね?」
「それが、何か?」
「付き合う相手は選んだ方が良いと思いますよ。ドクター?」
はて、と首を傾げるドラク。
男は、嘲る様に唇の端を上げて笑った。
だが、ドラクは相手になろうとしない。
『私を挑発しようとしているみたいだが……まだまだ子供だなぁ……嘗められていると言う進言も、あながち間違いでは無いと言う事か』
「津那魅君は、この帝都に住む我々の、よき理解者だからね。付き合いは止めないよ。君こそ、彼に逆らわない方が良いね」
「はっ! 貴方もお歳を召した訳ですか。ドラキュラ伯爵ともあろう方が、あんな若僧相手に媚びを売るとは」
「若僧? 君は彼をそんな風に見たのかい?」
驚いたふうに見せるドラクのわざとらしさに、津那魅なら閉口して肩を竦めるのだろうが、この青年、付き合いの無さに、ドラクの腹の中すら探れない。
見たままに読み取って、
「何か間違いでも?」
と、問い直す。
そんな彼の問い掛けをあっさりと無視して、
「君、歳いくつ?」
と、ちぐはぐな質問を口にして、ドラクはじっと青年を見た。
緋色の瞳が一層赤く濁り、青年をい抜く。
吸血鬼の瞳には力がある。
特に、ドラクの正体はドラキュラ。
青年ですら抗えない。
そんなドラクの瞳にも、微動だにしない津那魅は、彼から見ても『脅威』以外の何物でも無い。
『そんな津那魅君の真、の強さも計れないとは、こいつ長く無いな……』