僕に牛が訪れる
夕焼け
とりあえずの終わり。




外人の老夫婦は

手をつないで

置物のよう。


乾いた風が

ほのかなココナッツと

うっすらバニラと

かすかな外人の体臭をのせて

鼻先をくすぐる。


私は、嫁と手をつないで

絵葉書のままの光景に見とれて


自分の人生も

とりあえず終わりなのかな

と、いうようなことを思う。



周りの外人はみな立ち止まり

動きを止めた。




はて、

自分だけが動けるのかと

髪を、かきあげてみた。





周りの外人もそわそわと

おしりをかいたり

ほほをさすったりしたが

だれも、その場から立ち去ろうとはしなかった。


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