声
あなたの口が、何かを言おうとしていた。
し・ん・ぱ・い・し・な・い・で
そう言ってるような気がして…私はあなたの手をギュッと握って、首を横に振った。
いつもあなたは、自分の事よりも私を心配してくれた…。
でも今は…その優しさが嬉しくて、悲しいぐらい辛いよ…。
あなたの目がキョロキョロ動く。
何を探しているのか分かった私は口を開いた。
「あの子は大丈夫だったよ」
私がそう言うと、あなたは安心したのか大きく息を吐いた。
そのまま死んじゃうんじゃないかって思って…私は、またあなたの名前を呼び続けた。
あなたの名前を呼べば呼ぶ程怖くなって…悲しみが大きくなる。
死なないで…
お願い、死なないで……
私の目から涙がどんどん溢れて…あなたの顔に、雨のように降り注いでく。