私立米泥高校2年F組~comedy high school~


 リェン、彼女はこの米泥高校の絶対的な権力者だ。


 そして、このカフェを学内で経営しているのも彼女だ。


「マリオ…。


あなた、どうするつもり?」


 リェンは腕を組んだまま右のハイヒールを脱いだ。


 すかさずリェンの足元に跪くマリオ。


 ハイヒールを上履き代わりにしているのは彼女くらいだ。


「あぁ、君に触れれば、触れるほど、


君に溺れてしまう…」


 マリオは悩ましげにリェンの足の甲に唇を這わせる。


 その時、


 カランコローン♪


 軽快な鐘の音が部屋に鳴り響く。


「でさ、ココが校長もはいれないっていう


ちょっと変わった食堂。」


 リェンはさっとハイヒールをはき直して


 振り返った。


「夢樹、ここは食堂ではなくてよ。


パリのサロンカフェをイメージしているの。


あら、そちらの可愛い方は?」


 マリオは深く溜息をつきカウンターへと消えた。


「あ!生徒会長!!」


 夢樹が軽く会釈をして中に入った。


 それにつづいて転校生しずかと長沢も一緒だ。


「転校生の、しずかちゃん。


こっちがこの学校の生徒会長さん。


三年のリェンさん。


俺らは姐さんて呼んでる。」


 と、長沢が説明した。


 夢樹にいたってはカウンターの席に座り、


「抹茶フラペチーノ、クリーム多めで!!」


 と、でかい声でマリオに言う。


「オー、夢樹、ここはスターバックスじゃないヨ。」


 マリオは苦笑しながら冷蔵庫から氷をとりだした。


 ここのカフェで実際に働いているのはマリオだ。


 リェンに認められた生徒なら誰でもタダでなんでも注文できる。

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