私立米泥高校2年F組~comedy high school~


「だーから、レー美は夢がないなぁ。

そこで~学校の角でイケメンとぶつかっちゃうんだってば!!

キャピーッ!!運命の出会~い!!」

 レー美と呼ばれた女が爪にトップコートを塗りながら馬鹿にしたように鼻で笑った。


「フフン。

アンタとぶつかったら、たいていの男は大怪我よ。」


 夢樹の身長は174センチである。

 日本人女性としてはいささか縦に大きい。


 そんな長身の夢樹がジャングルジムのてっぺんに立ちながら、レー美の方を般若のような形相で見下ろした、その時、


「いや、浅岡!!

すばらしい発想だ!!

浅岡!!すばらしいよ!!」


 一人の美少年が軍手をはめた手で拳を作りながら、ジャングルジムの上にいる夢樹に叫んだ。

 美少年はピンクの薔薇のような唇をわななかせ、頬は乙女のように赤らんでいる。

 ちなみに夢樹の苗字は浅岡だ。浅岡夢樹。

 夢樹が美少年の方に手を挙げて言った。

「おお、ゼロー!!

だろ、だろ~?

やっぱ、イケメ…

おあ!?ゼロ!!やめろよ!!

興奮すんなよ!!??」


「キャー!!やめて~!!」

 レー美のマニキュアの瓶が飛んだ。



 興奮した美少年ゼロがジャングルジムを高速で回し出したのだ。

 軍手でグリップが効いているため、いつもより多く回っている。




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