高校三年生。
夏休み明け。

この二つが揃ってやっと周囲が机に向かいはじめる。

「修也く〜ん」
猫なで声で瞬きの回数を増やした気色悪い男が話し掛けてきた。


大洋だ。
この男は幼なじみ。かれこれ14年は連れ添っている。親友って言うのは恥ずかしいけど、あながち外れていない。

「なんだよ、気持ち悪いなぁ〜」

「今度のテストのヤマ、オ・シ・エ・テ☆」



数秒顔を見合わせて、満面の笑みで言ってやった。
「やだ」

「なんでだよ〜ちょっとだけでいーからさぁ〜…」

「さっきの大洋が気持ち悪過ぎたから」

「えっ;嘘、マヂそれ原因!?ごめんッ、もーしないから!!」

いきなり必死になる大洋、こうゆうとこ嫌いじゃないんだよな(笑)


「はいはい、今回はなぁ…」





これがいつもの僕。
なんの変哲もない普通の学生…大洋と楽しく笑いこけて、高校生活も終わる気がしてたんだ。


君に出会うまでは…

つまりあと、15分後かな。



 

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