月と太陽の事件簿5/赤いランドセル
「達郎?」
また無言が返ってきた。
しかしその視線はしっかり前を向いている。
一呼吸の間を空けて、達郎がいきなりUターンした。
「ちょ、ちょっと!?」
あたしはあわてて後を追う。
達郎が立ち止まったのはマンション下にあった自動販売機の前。
そこで缶コーヒーを買うと、達郎はそれをしっかり握りしめた。
達郎には変な癖がある。
事件を推理する時、必ず缶コーヒーを手にするのだ。
なんでもはじめて事件を解決した時、たまたま缶コーヒーを手にしていたそうで、それ以来癖になっているらしい。
しかしまだ容疑者に話も訊いてないのに、いったい何をひらめいたというのだ。
やがて乾いた音がした。
達郎が缶コーヒーを開けた音だった。
そのまま一口飲むと軽く息を吐く。
「なにひらめいたの?」
あたしが訊くと、達郎は口もとに小さな笑みを浮かべた。
う、なんか嫌な予感。
また無言が返ってきた。
しかしその視線はしっかり前を向いている。
一呼吸の間を空けて、達郎がいきなりUターンした。
「ちょ、ちょっと!?」
あたしはあわてて後を追う。
達郎が立ち止まったのはマンション下にあった自動販売機の前。
そこで缶コーヒーを買うと、達郎はそれをしっかり握りしめた。
達郎には変な癖がある。
事件を推理する時、必ず缶コーヒーを手にするのだ。
なんでもはじめて事件を解決した時、たまたま缶コーヒーを手にしていたそうで、それ以来癖になっているらしい。
しかしまだ容疑者に話も訊いてないのに、いったい何をひらめいたというのだ。
やがて乾いた音がした。
達郎が缶コーヒーを開けた音だった。
そのまま一口飲むと軽く息を吐く。
「なにひらめいたの?」
あたしが訊くと、達郎は口もとに小さな笑みを浮かべた。
う、なんか嫌な予感。