こゆび
病院からでた翠は、2人のお気に入りの場所へと向かった。

そこは、丘の上で一本の桜の木があるだけで、あとは何にもないところだ

「風が気持ちいいな」

そっと吹く風は、翠を慰めるように優しくて柔らかな風だった。

(そういえば、よくここで幸くんと歌ったな)

ふと、木に寄りかかり昔を思い出す…


思い出していると、頬を伝って流れていくものがわかった。

「涙は明日の糧…か」

少し微笑み立ち上がり学校に向かった。
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