こゆび
午前11:00

「おっしい、あとちょっとだったのに」

翠たちの姿は、ゲームセンターにあった。

「あのぬいぐるみ、絶対取れないよ」

やけに、目の下に隅ができた熊を欲しがっている蒼井、てか可愛いのか

「あたしにやらせて」

翠がくいついてきた

「翠無理だって、絶対に上に上がりきった瞬間に落ちて失敗するんだから」

「取れたよ」

「え、」

翠の手には、さっきの熊が

「あんたすごいよ」

「欲しい〜」

「ちょうだい」

「はい」

翠は、さっき取った熊を蒼井に渡した

「ありがとう、あんたは一生の友達だよ」

「いやいや、照れるな」

そういい頭をかく翠、片手には何かが入った紙袋が

「翠、何それ」

はっ、と気づいた翠は

「え、これ、あーと、お母さんに頼まれたんだ」
「本当に〜」

「本当だって」

横で見てた、友達も詰め寄る

「それより、お腹すいてきちゃった、どっか食べに行こ」

「あ、ちょっと待ってよ翠」
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