こゆび
「約束20秒前でセーフ」
「え、」

急に声がして驚いた、辺りを見回すが誰もいない
(幻聴まで聞こえちゃった)

そう思いまたうなだれた
「いつまで、うなだれてんだ」

「え、」

もう一度、顔を上げた

とたんに、上から誰かが飛んできた

「木の上くらい見ろよな」

彼を見た瞬間、涙が出てきた。

「ちゃんと、約束守ったぞ」

「幸助〜」

一気に涙が溢れ出て、幸助に抱きついた。

「寂しかったよ、辛かったよ、待ってたよ〜」

「おう、おう、心配させたな」

幸助は、抱きついた翠を優しく撫でた。

少し落ち着いた翠は、幸助からゆっくり離れ、ポケットから昼間買った物を取り出した

「はい、誕生日プレゼント」

と言い、小さな紙袋を渡した。

「開けていい」

「うん」

紙袋を開けると、リングのキーホルダーが入っていた

「ありがとよ」

「うん、あと…」

「ん、なんだよ」

少し、緊張しているが言った。
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