こゆび
「あんた、少しは場所をわきまえなさいよね」

顔から火がでそうなくらい真っ赤になった。

「いや、おぶったら、お前の胸があたるからさ、まあ、何ともなくて良かった」

幸助は安心したようだった。

「あれ?蒼井達は」

回りを見回したけど、幸助ひとりだった。

「あいつらは、先に帰った」

「帰った!?何で?」

「何でって、いつ起きるかもわからないのに居てどうする、だから帰らした」

そう言われ、返す言葉を失った。

「んじゃ、目が覚めたことだし、参りに行くか」
と言い幸助は立ち上がった。

「あ、待って」

と言い、翠も急いで履き物を履いた。

外に出てみると、救護所の人達がいたのでお礼を言ってから、奧に向かった。
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