こゆび
もうすぐ昼なのか、最初に来たときより、人が減っていた。
少なくなった人混みの中をよけながら賽銭箱の方へと向かった。

「やっと着いた」

翠はもうバテバテだった。
「情けないな、これくらいで」

まだまだ余裕の幸助

「あんたと、一緒にしないでよね」

そう言い終わると、賽銭箱前まで行き、お参りした。

「なんて、お参りした」
幸助が聞くと

「秘密」

「いーじゃねーか教えたって別に減るもんじゃねーんだから」

「秘密ったら、秘密、それよりおみくじしよ」

「はなし逸らしやがって」
しぶしぶ、おみくじを引く事にした


「やった!あたし大吉、幸助は?」
翠は幸助の方を見てみると幸助は固まっていた

「どうしたの」

「凶」

ただ一言告げておみくじを翠に見せた

「大吉より珍しいかも」
そう言い、幸助の方を見るとさっきより落ち込んでいた。

「だ、大丈夫だって運命は自分で変えられるんだから」

何とか、幸助を励ました。
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