【子供に読み聞かせたくない童話】かなしいピエロ
「ね? ピエロくんの“げい”、わたしにおしえてよ」

「ぼくの“げい”?」

「そう。おきゃくさんのまえで、いっぱいわらえる“げい”」

「………」

ピエロくんは、しょうじょがなにをいっているのかよくわかりませんでした。

「あんなの、“げい”じゃないよ。わらおうとおもったらわらえるじゃないか」

「…わらえないの! ほんとうにわらえないんだってば!! ねぇ、おねがいだからおしえてよ!!」

しょうじょは、ピエロくんにひっしにすがりました。

「おしえるったって、ぼくにはなにもできないよ」

「そっか…。じゃあ、こういうのはどう?」

しょうじょは、あかるいこえでこういいました。
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