ペトラキネシス
ガチャ
「もしもし?」
「アンタ達かい?
さっき殺人現場に来たのは」
コンピューターで合成された声だ。性別は不明。
こいつがMD?
[アンタ達]と言ったな。俺も居ることがバレている。言動から察するに、さっきの現場に俺達が行ったのを知っているな。
「ワタシからの電話、ガセで無いことが分かったろう?」
「まだだ、死体を確認していない。殺人事件と認定するには証拠不十分だ」
「アッハハハハハハハ!
そうかい、分からないのか?
ワタシはミュータントだよ?」
「それがどうした?
ミュータントだろうと、そうで無かろうと、ネタが挙がらなければ捜査はできない」
「岡崎さん、代わって」
俺は受話器を受け取った。
「お前がNDか?」
「…誰だい?」
相手の返事に少し間があった。
「質問に質問で返すな。お前がNDかと聞いている」
「…何よ、さっきからNDって!名前を間違えるんじゃないよ!ワタシはMDだよっ!」
ムキになった奴はボロが出やすいものだ。