ペトラキネシス
「そうか…
とりあえず、お前がMD本人で女だということが分かった。この電話の目的は何だ?ただの自己紹介か?」
電話の相手は少し沈黙した後、静かに話し出した。
「…やるね。そうさ、ワタシがMD。お察しの通り女だよ。警察ってのは頭が堅い奴ばかりだと思っていたけど、アンタは違うようだね?」
こんな奴に褒められても嬉しくない。
「あいにく俺は部外者でね。それなりに柔軟な頭を持っている」
「フフフ、気に入ったよ。よし、決めた。アンタを指名しよう。ワタシの相手に相応しいようだからね」
これで予知の内容が繋がった。
[女性のMDが、電話で俺を指名する]
つまり、俺とMDの対決が始まることの示唆だったのだ。
「MD、これは俺に対する挑戦と受け取れば良いのか?」
「そうだねぇ、ワタシを捕まえることができればね。ワタシの能力を見破らなければ、ワタシには勝てないよ」
「もし…
お前の能力の謎に、既に目星がついているとしたら?」
「っ!?」
明らかに動揺している。畳み掛けるか。
「お前の能力、前例の無い能力だ。だから勝手に名前を付けさせてもらった」
「…何て名前なの?」
「ペトラキネシス。
MDという名前のミュータントの能力に相応しい名前だろう?」