ペトラキネシス
「岡崎さん!」
俺は予知の内容を説明した。
「今回は簡単だな。憎悪に燃える三姉妹が、屋上で待ち伏せしているから危険だ…
ということだろう?」
俺も同意見だ。今回は頭をひねらずとも、それ以外に考えられない。
待ち伏せされているということは、逆に追い詰めるチャンスでもあるかも知れない。
「よし、応援を呼ぼう」
岡崎さんが携帯電話を取り出す。
いや、それは危険だ!
「三姉妹の中に念波能力を持つ奴が居ます。電話を掛けたら傍受されるかも知れません。ここは俺達だけで…」
俺の話が終わらない内に、岡崎さんは俺の肩に手を置いて言葉を遮った。
「心配するな、知立。もうビルの入口に数人の警官を待機させてある。電話を傍受されたところで奴らの逃げ道は無い」
流石に現場叩き上げは違う。俺達だけでは危険だと、最初から予想していたのか。
しかも岡崎さんの、応援への連絡方法も秀逸だった。1回だけコールして切る、いわゆるワン切り。これなら傍受も関係ない。
下の階から何名かの警官が上がって来るのに、さほど時間は掛からなかった。
「よし、追い詰めるぞ!」
俺達は勢いよく屋上に出た!