ペトラキネシス
「フン!」
念波能力の姉が、石像となった警官を蹴り倒した。
ブシャァン!
石像が砕け散る。
やはりビルに散らばる石は、こうしてバラバラにされた石像の成れの果てだったか…
俺の背筋に冷たい感覚が走る。恐怖感だ。こいつらは今から、俺達を一人ずつ…
「ワタシ達の能力が分かったろう?
石にされたくなかったら、ワタシ達の復讐の邪魔をしないでおくれ!
それをアンタ達に伝えておきたかったのさ!」
念波の姉が言うとPKバリアの妹が、屋上に散らばる石を砂にして巻き上げ、砂嵐を作り出した。
「うあっ!?」
目を開けていられない!
しばらくして砂嵐が治まった時には、三姉妹の姿は無かった。
「…とんだミュータントが居たモンだぜ」
岡崎さんはポケットから砂だらけになったタバコを取り出し、火を着けようとしている。
その指先は震え、恐怖に動揺しているのが分かった。無理もない。
人が目の前で石になり、砕かれたのを見てしまっては、どんなに肝っ玉の座った人でも怖さを隠さずにいられないだろう。
生き残った警官の中には、恐怖と緊張から嘔吐している者もいた。