ペトラキネシス
だが恐怖しているヒマは無い。あの姉妹を追わなければならない。
それが俺達の[仕事]だ。
俺が疑問に思ったことは2点。姉が言っていた[復讐]とは?
それとペトラキネシスで殺したのは警官一人だけ。何故全員を石にしなかったのか…
三姉妹は、昨日の段階で俺と岡崎さんが、このビルに来たのを知っていた。その時に殺そうと思えば殺せたんじゃ無いのか?
[殺さなかった]のでは無く、
[殺せなかった]のか…?
何らかの理由で。
いずれにせよ、手掛かりになりそうなのは…
俺は5階の部屋に向かった。
改めて見ると、随分と殺風景な部屋だ。ここで三姉妹が生活していた可能性は高いが、普通の女の子が住むような部屋では無い。
部屋の内装は、コンクリートや鉄骨が剥き出しになっていて、このビルが廃墟になってから住み始めた感じがする。
「知立、この部屋で予知が働いたんだったな?」
岡崎さんも部屋に入って来た。
「ええ。
あの鉢に触れた瞬間…」
鉢植えには、部屋に似合わない赤い花。
何という花なのだろうか?
ふと俺は、鉢植えの横にあった写真立てに気付いた。