ペトラキネシス
「何故、まだ軍人が居る…?」
将軍と思われる男はキッと俺を睨み、
バキッ!
持っていたステッキで俺を殴りつけた。
「口の聞き方に気をつけろ!
ミュータントのくせに!」
…今のセリフで大体予想できた。恐らくコイツらは選民主義者だ。つまり選ばれた人間が世界を支配すると考えている、危険な連中…
そして彼も、自分は選ばれた人間だと考えている人物。ミュータントを見下し、道具のように考えているのだろう。
将軍は、俺の首にステッキの先端を押し付け、
「例の三姉妹の居場所を言え!
奴らは我が軍の切り札、
[究極の兵器]だ!
お前は軍事機密を知った罪で、本来なら銃殺刑。
だが三姉妹の情報を提供するのなら、命だけは保証しよう」
全てが繋がった。
三姉妹の復讐の対象は、この男に間違いない。そしてサイコメトリングで見えた最後のキーワード[究極]の意味も理解した。
「…情報を提供しやすいように、真実を語ってやろう。
警察に潜伏させておいた私の部下が、お前を捕獲した研究室で…
10年前に何が起きたか聞かせてやる」
将軍は、過去の出来事について話し始めた。