ペトラキネシス
 
「あの研究室での実験には、私も国家の命令を受けて立ち会った。柿崎教授、その妻、助手の長男…

そして被験者である、柿崎の3人の娘。
彼女らもミュータントである可能性を秘めていたのだ。あまりに微弱な能力だったため、何の能力を持っているのか分からなかったがな。

長女、愛。被験コードAI。
次女、早紀。被験コードSK。
三女、翠。被験コードMD…」


それを聞いて、俺は推理の一部が間違っていたことを悟った。

あの美しい、そして恐ろしい能力を持った少女。
彼女は三女の翠!
そして偽名のMDとは、メデューサの意味では無く翠の被験コード…

あえて実験体のコードネームを名乗ることで、この時代錯誤男への復讐心を示したのか!

将軍の話は続いた。

「実験は、ミュータントから能力を抹消させるというバカげたものだった。
こんな連中を救う必要など無い。むしろ戦力として使用できるのでは無いかという素晴らしい発想を思い付いた私は、教授から実験の説明を聞き、電流パルス信号を送り込む配線を逆に取り付ければ、逆の効果を得られるのではないかと仮定した。

そして教授に気付かれないように、配線を差し替える事に成功した」

< 35 / 45 >

この作品をシェア

pagetop