ペトラキネシス
「アンタが岡崎さんを生かしておいてくれて助かったよ。
俺と岡崎さんは、超能力犯罪を追うコンビだってのは知ってたか?」
将軍は不思議そうな顔で俺を見た。
「それがどうした?」
「超能力犯罪ってのは、捜査する側も命懸けだ。
だから相棒の身に危険が迫っていることを即座に知らせるための手段がある。
奥歯に埋め込まれた超小型マイクと、相手の耳たぶに埋め込まれた超小型スピーカーだ。それを使って俺達は連絡を取り合うことができる」
「ほう、それは便利だな。しかし岡崎とやらも貴様も、違いに動けぬ身。
通信して現状を打破できまい。
そんな下らない話に付き合わせるな」
俺は更に続けた。
「俺と岡崎さんが通信する必要なんて、全く無いのさ。
まだ気付かないのか?
俺が何故、ここは何処かと聞いたことに。
俺のマイクから岡崎さんのスピーカーに、その場所に関する情報が伝われば充分。その為に岡崎さんの安否を聞いたんだからな。
俺のマイクから発せられた情報を、傍受できる奴が一人居るだろう。
彼女に教えてやったんだよ、この場所を。
そして復讐の相手が居ることもな!」