ペトラキネシス
死体を埋めることも、焼却することも出来なかったのだろう。痕跡からアシがつく。
例え死体だとしても、肉親を石にするのは辛かったろうに…
そしてある程度、死体だとバレないように壊したのだ。
軍をおびき出す為に俺達にコンタクトを取り、警察を動かした。警察内に軍のスパイが入り込んでいることに気付いていたのだろう。
俺達の前で石化された警官も、既に軍の人間だと見破っていたのだ。
あの場に居た全員を石にしなかったのは、俺と岡崎さんが警察か軍の人間か見極めるため。俺達が軍に関係ないのなら、石にしてはいけないと考えたのだろう。
復讐に命を掛けるが、関係ない人を巻き込めない…
本当は…優しい姉妹だったんだ、この子達は。
俺の目からも涙が溢れて来た。
「また…泣いてくれているの?
ありがとう、知立さん…
最期に貴方に会えて…
本当に…
良かっ…
…」
俺は指の間から流れ出す砂を握り締め、泣き崩れた。