ペトラキネシス
第3章・死体無き殺人
俺達は警察署に戻り、今後の対策を立てることにした。俺が掴んだヒントから立てた仮説…
しかしそれが事実だとすると、
これは[死体無き殺人]だ。
こんな事件を起こした凶悪で危険なミュータントを野放しにはできない。
「お前の予想が正しければ、超能力犯罪史上最も危険なミュータントを相手にしなくてはならないな」
確かに岡崎さんの言う通りだ。今まで解決してきた超能力殺人は、比較的すぐに被害者の身元が割り出せた。しかしそれが難しいとなると、無差別殺人で無い限り被害者と犯人の接点が掴めない。そうした方面からの情報は望め無さそうだ。
「しかし知立…
お前の仮説、可能なのか?」
「ミュータントによる殺人事件は、何が起こっても不思議ではありませんよ。基本的に不可能な殺人方法を使う奴らですから」
俺はコーヒーをすすりながら、岡崎さんの疑問に答えた。
何故俺は、ここまで冷静にしていられるのか。自分でも分からない。