ペトラキネシス
 
「次にMDは、どう出ると思う?」

「意外とすぐに行動を起こすハズです。でなければ殺人予告をして俺達を現場までおびき寄せる必要が無い。これは挑戦状と考えるべきでしょう」

「お前、探偵になれるな」

探偵か。
魅力は感じる。しかし探偵という職業は、小説や漫画に登場するようなカッコ良いものでは無いことも知っている。

俺が2杯目のコーヒーに手を伸ばし、紙カップに触れた瞬間…

「うっ…!」

来た!
俺の予知能力の前兆が!

「知立、予知か?」

俺の脳内に、鮮明に沸き上がるキーワード…



  MD

       ジョセイ

 シメイ

     デンワ



くそ、これだけか…
俺の予知能力は少々変わっている。近い未来に起こる出来事のキーワードのみが断片的に頭に浮かび出す。それは単純に単語の羅列であり、文章になっていないから、単語を並び替えて自分で予知内容を推測しなければならない。
俺は予知の内容を岡崎さんに説明した。

「電話でMDが女性を指名する…か」

「もしくはMDの正体が女性で、電話で話す相手を指名してくるか…」


トゥルルルル!


電話だ。
恐らくMDから…
次の殺人予告か、それとも…

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