吸血鬼の花嫁
昔、むかしの話。
大陸の最北にあるこの国は、一年のほとんどが雪に閉ざされていた。
延々と続く灰の空。
そのせいか、魔の者たちが集まりやすく、人々は毎日を怯えながら暮らしていた。
ある時、この国に一人の吸血鬼がやってきた。
長い時を生きた吸血鬼だった。
その吸血鬼は、雪に閉ざされたこの地に住む人々を哀れに思い、
魔の者たちからこの地のを守る守護者となった。
今でもその吸血鬼はどこかで民を見守っているという。
吸血鬼の名はユゼ。
そして、それはこの国の名でもあった。