魔女の瞳Ⅴ
第二章
放課後。

ホームルームを終え、生徒達が思い思いの場所へと移動していく。

帰宅、部活が大半。

中には本日の授業内容の復習に教師の元へ…なんて勤勉な生徒も極僅かにいるが、少なくとも私や修内太はこれには当てはまらない。

「さ、修内太帰りましょ」

鞄片手に修内太の席に隣に立つ。

「おぅ」

彼も鞄に手際悪く荷物を詰め込んでいる途中だった。

弁当箱と携帯と漫画雑誌程度しか入っていない辺りがいかにも彼らしい。

帰り支度が終わった所で、二人並んで教室を出る。

廊下は他のクラスの友人を待つ制服姿の生徒と、部活組の学校規定のジャージを着ている生徒の半々といった所。

どちらかといえば放課後の方が活気があるように思える。

青春の1ページ、という奴だろうか。

私から見れば年下の生徒達を見て、何だか羨ましいような気分になった。

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