魔女の瞳Ⅴ
私は修内太と共に武羅人と距離をとって着地する。

「この野郎…!」

修内太が怒りを隠す事なく言う。

私達を仕留める為に、周囲の犠牲にも躊躇しない。

そのやり方が許せないのだろう。

人外同士の戦闘は、本来こういうものなのだけれど、人間の修内太にとっては許せない筈だ。

「チマチマぬるい攻撃してるからこういう事になるんだぜ?」

武羅人が悪びれる事もなく言う。

私達の立っている土手沿いの道路は、橋が崩落した事で迂回する車が押し寄せてきていた。

慌てているのか、相当なスピードで走り去る車。

今に大渋滞になるだろう。

「確かにね」

私は武羅人の言葉に頷く。

そして。

「      っっ!!」

不意打ちの高速詠唱!

突然、武羅人の目の前が爆発する!

『爆裂』の魔術。

爆風に吹き飛ばされた武羅人は車道に投げ出され。

「がはっっっっ!!」

猛スピードで走ってきた10トントラックによって撥ね飛ばされた挙句、10メートル以上吹っ飛ばされた。




< 35 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop