魔女の瞳Ⅴ
そうこうしているうちに案の定。

「ぎゃっ!」

心配して顔を覗きこむ男性の首を掴み、武羅人がゆっくりと立ち上がった。

「どこ見て運転してやがる…血が出ちまったじゃねぇか」

男性を片手で持ち上げたまま、武羅人はそのまま手に力を込め。

「うぎっ!」

彼の喉を握り潰してしまった。

躊躇なく殺してしまった。

「あいつ…!」

修内太が歯噛みする。

彼の正義感は私も好きだ。

曲がった事は絶対に許さない、そんな彼の真っ直ぐな性格は、見ていて眩しく感じる事もある。

だけど。

「      っ!」

私は修内太の手を握ったまま、『飛翔』の魔術で空中に飛び上がった!

「何すんだよメグ!俺はアイツが許せねぇ!」

「馬鹿!逃げる方が先決よ!」

私は修内太を諌めた。

まともに闘うべき相手じゃない。

『堕蓮持ち』の亜吸血種というのは、私が想像していた以上の相手だった。

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