魔女の瞳Ⅴ
第三章
武羅人がトラックの幌の上で拳を鳴らす。

「それじゃあ…まずはお前から頂くか、小僧」

赤い双眸が炎の如き光を放っていた。

「く…」

身構える修内太。

「修内太!」

私は空中から声をかける。

「武羅人と接近戦なんかしてどうするの!逃げ回りなさい!私が助けに行くまで持ち堪えるの!」

修内太も私と同じ、術者タイプだ。

そもそも『強化』の魔術を行使しているとはいえ、武羅人のような堕蓮持ちと殴り合いが出来るほど肉体は頑丈じゃない。

だけどそんなこちらの都合など、武羅人には関係なかった。

「お勉強は戦闘前にするべきだったな!」

荒々しい攻撃が次々と繰り出される!

修内太はそれを必死の形相で回避していった。

回避といっても紙一重。

殆どの攻撃はかすめている。

直撃しないのが不思議なほどのギリギリの回避だった。



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