魔女の瞳Ⅴ
特に何をするでもなく、お互い緩やかに無意味なひと時を過ごす。

と。

「!!!!!」

突然、屋敷全体を揺るがすような震動と共に、落雷のような音が響いた。

「メグ!?」

修内太が飛び起きる。

「ええ」

私も身を起こした。

この音…館の結界に何かが反応した音だ。

人外か、魔術師か、それとも別の何かか…。

とにかく、何か強力な力を持つ侵入者が、この館に入り込もうとした証。

「正面…玄関からだなんて、随分嘗められたもんね…!」

すぐに応接間を出て、玄関へと向かう。

結界がこれほどの反応を示す侵入者。

正直何者なのか、興味があった。

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