魔女の瞳Ⅴ
「これはこれは…」

思わず笑みを浮かべる。

何だ…武羅人の奴、渡蘭市の支配者である出碧儚の狗だったのね…。

まさか出碧家当主様直々のお手紙だとは思わなかったわ。

だとすると、さっき手紙を届けてきたのは三大名門亜吸血種の一つ、『杖縁』の令嬢、杖縁梓かしら…。

道理で派手に結界が反応する訳だわ…。

「何だメグ?出碧ってそんな凄い奴なのか?」

修内太が私の顔を覗き込む。

「まぁね」

私は手紙を畳んで便箋に入れた。

「またそのうち話してあげるわ」

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