スノウ

おろしたてのドレスに身を包んで、大通りを歩く。

サラリーマンたちであふれる駅前通をとぼとぼとドレス姿で歩く私は浮いているに違いない。道行く人たちの視線が刺さる。

ドレスに合わせて買った靴が足に合わないのか痛くなってきて立ち止まる。




と同時に何かがぶつかった。





「痛っ！」


よろけてしまった私は転んでしまった。







「ごめんなさい。大丈夫？」

若い男の子が手を差し伸べてきた。



「あ、ありがとう」

立ち上がるとドレスについた土埃を払ってくれた。

「ごめんなさい。僕、急いでいて。」

きれいな顔立ちの男の子は走り去っていった。


私はまた歩き出す。
足が痛む。
合わない靴のせいだ。


泣きそうになる。


隼人。

どうして。