遠く 遠く
しょっぱい飴玉

可愛い包み紙



時間だよ!起きなさーい


お母さんの
無駄にデカイ声が
家中に響き渡る。

デカイお陰で
遅刻しないんだけどね


いつものような朝食を
家族みんなで囲む



『てか今日学校休み』


『あれ?
昨日言わなかった?』


『だから弁当も…』



『聞いてる?』


お母さん居ないし。
1人で話してたじゃん

とりあえず顔洗って
歯磨きして

また寝ようかな



ブブブッブブー





『新着メール1件』











画面に出た文字
そのまま声に出して
読んでた

それに1番はやく
反応したのはお父さん

『携帯ばっか
やってないで
勉強しろ』

いつも言われること。


だけど今日は、
凄くムカついた。


だから箸を投げて
自分の部屋に向かった

お父さんの顔は
見れなかった

自分が悪いのに…
逆ギレしちゃったし



部屋に行って、さっきの
メールを見てみる。


見慣れた名前
『澤 ゆきの』


たぶん一番仲いい
幼稚園からの親友。




ゆみー(^O^)☆
今日暇だったらさ
遊ぼうよ♪



今日は学校ないし
最近ゆきのとも
遊んでないし…。






おっけい\^O^/
どこで遊ぶの?☆

街行く?(^ω^)




あたしは、
机の上の
見た目かわいい感じの
飴をなめ返事を待った




ん?……




パッケージを見ると


―『塩飴』


しょっぱい。






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