エリートの旋律
あ~~~、思い出しても、腹が立つ!
「ほ・・・・んっとに、何なのよ、アイツ!!」
ガンッ――
テーブルに、ビールジョッキを叩き置いた。
「私のハッキリ言うトコロが良いって、告って来たクセに!
それが何よ、ちょっと指摘しただけで 怖じ気づきやがったのよ!?」
挙句の果てには、アノ視線!
まるで、私が化け物みたいじゃない!
「やっぱり、一発殴っておけば良かった!」
この怒りを、何かにぶつけたくなり。
傍にあった、おしぼりをギューッと、雑巾絞りした。
こうして玉砕したのは、阪本 絵美。
もうすぐ就職を控えた、大学4年生。
フラレた経験は、数あれど。
振った経験は、数えるほど。
こうしてまた、振られた記録が、更新されてしまった。