エリートの旋律


でも、今さら自分を繕うなんてムリ。


このスタンスは、曲げようとも思わない。





負けず嫌いだから、勉強だって疎かにしたくないし。


何より、自分に甘くするなんて、絶対出来ない。




就職先だって、吟味を重ねて選んだもの。


自分で納得出来なきゃ、仕事にも打ち込めないから。




こんな、面倒な性格のせいで・・・・



必要以上に、厳しい人間なのかもしれない。





こんな私は、男からすると・・・



ただの、ウザイ存在でしかないの――?







「俺の忠告を聞かない、絵美さんが悪い。」


向かいの席で、そんな私を尻目に。


至って冷静に、ビールを飲むヤツ。



ジョッキを空にして、やっと口を開いた。



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