となりの野獣
「あぁ、これですね」

「!?」


言って、スカートの下から取り出した。

俺は慌てて、その手にすがりつく。


それは斧だった。
木こりには命のような存在だが、獣の俺は容易に素手で木を折れるのでなくてもあまり困りはしない。

どうして人の刃物をスカートの下に収納するんだというツッコミを入れる余裕もなく、俺は落胆した。

嘆息する。


「あら?これじゃないんですか」

「…その、薔薇の花なんですが」

「ああ!!それならここに」


ローズが指差した先には妖しげに輝く、まさに魔力を持った薔薇…の香りのジャム。


「おああああああぁぁああぁぁぁ!!!!!」


俺の命が終わっている!!!
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