となりの野獣
家宅侵入までする、かなり悪質なストーカーだったんじゃないか。

そんな念のこもっていそうな代物と俺の命を混ぜたのか。


少し怒りが湧いた。


「とりあえず、朝ご飯召し上がります?
これをパンに塗りましょうか」

「勘弁して下さい…」

「まあ!もしかしてパンはお嫌いなの?
では、玉子は生と半熟と完熟どちらになさいますか?ベーコンは?」


嬉しそうに自分の家に誘うローズに、脱力しつつ着いていく。


家は、今は亡き我が家よりも質素なものだった。

一階はレストランを開くための椅子と机がいくつか、仕切られてキッチンと冷蔵庫がある。
二階はリビングがあり、いくつか小さな個室がつながっている。

俺は昨晩、そのリビングのソファーで寝かされた。

以前住んでいた大家族の家を一階だけ少し改造した風だ。
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