となりの野獣
あの住人たちとはあまり面識がなかった。
挨拶もされなかったし、別に気にもしていなかった。
ある日、木を切っているところを子どもに見られ、親が訪ねて来たっきり。
見ていない。
せっかくの新居を手放すことになったようで、少し申し訳なくも思う。
「パンがお嫌いなら、ヨーグルトにかけましょうか?」
手際よく料理をしながら、背中越しにローズが尋ねた。
料理をする姿を初めて見た。
踏み台を転がしながら台所に立つ様は、母親の手伝いをしているか、ままごとのようだ。
「いえ…そのジャムは使わない方が良いと思います」
「あら、ジャムが苦手でしたの。
でも…大切な薔薇でしょう?」
「それもそうですが、
あなたの混ぜた薔薇はいろいろとこめられていそうで食べたくありません…。」
挨拶もされなかったし、別に気にもしていなかった。
ある日、木を切っているところを子どもに見られ、親が訪ねて来たっきり。
見ていない。
せっかくの新居を手放すことになったようで、少し申し訳なくも思う。
「パンがお嫌いなら、ヨーグルトにかけましょうか?」
手際よく料理をしながら、背中越しにローズが尋ねた。
料理をする姿を初めて見た。
踏み台を転がしながら台所に立つ様は、母親の手伝いをしているか、ままごとのようだ。
「いえ…そのジャムは使わない方が良いと思います」
「あら、ジャムが苦手でしたの。
でも…大切な薔薇でしょう?」
「それもそうですが、
あなたの混ぜた薔薇はいろいろとこめられていそうで食べたくありません…。」