となりの野獣
「ひっ!」


そこから覗かせた肩は、白く骨張っていて
何も着けていなかった。


露出狂か。

これは、起こさずに村の者に引き渡した方が良いかもしれない。


そっと後ずさった。

が、露出狂は顔をしかめ、何かに気づいたように目を開けた。

銀色の目と合う。
その瞳は涙を湛え、輝いていた。


「あ、ありがとう…!
お前のおかげで兎から元に戻ることができたようだ!!」


これは腕力を使うしかないと思って、強張った体にその露出狂は飛び込んできた。


「小動物のように臆病で覇気のない私でも愛してくれるんだな…
ならば…私も誓おう。お前に永遠の愛を…」

「や、いや…ちょっとやめてください」
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