となりの野獣
兎が見当たらないところからすると、隠したのでなければ本当らしい。

どこかで聞いた話だ。

しかし、目を閉じて頬を染め、口を突き出す人物の股間には確かに男の物がついていたので、
ハッピーエンドでないことは確かだ。


「そんな趣味ないんで…やめて…」


本気で大切な物を奪われそうになって、少し涙目になった。

なんとかなだめて一階から戻ると、そこにはローズの他にもう一人いた。


「あなたのおかげで斧から元に戻ることができたみたい!!
助かったわ!!」


そのグラマラスな肉体をローズのエプロン一枚で辛うじて隠し、恥ずかしげもなく俺にすり寄った。


「人違いです…」


朝ご飯も食べていない1日の始まりに、数年くらいの疲労がたまったのだった。


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