となりの野獣
「ずっと思ってたの。
私の斧を握る、この野蛮で大きな手で弄られたらどんなにイイか…」

「は…離しなさい!!嫌がってるじゃな…」

「あ?」

「ひぃい…」


抗議の声も小さく、兎王子のライアンはひとにらみで机の下で丸くなった。

ライアンに害は全くないが、この裸エプロン女王のジュリアばかりは斧のままで良かったのかもしれない。


それにしても、こんな臆病者が今は大国の王子で、
俺の亡国より前に滅んだ科学都市の王女がこの変質者で良いのだろうか。


まあ科学都市は、俺でも大量の負債を抱えて滅んだことを知っている。

王女失踪については歴史を不真面目に学んだので聞いたことがない。


王子に至っては幼女に絞め殺されそうになっていたが、大丈夫なのだろうか…。

こんな田舎ではあまり情報がまわって来ないが、さっさと帰った方が良い気がする。

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