となりの野獣
「あのーすみません。
もうすぐ開店なので、席を空けてもらって良いですか?」


先程から忙しく動き回っていたローズがと三人の中に入ってきた。

気がつけば、陽は登りきっている。
外も騒がしい。

どうやら、小さな村で幼く可憐な少女が店を開くという情報は、すぐに広まったらしい。
すでに行列ができていた。


「ろぉーずぅー!!」

「ローズちゃあぁん」


何人かの叫びが聞こえる。
ガラスにへばりついている人たちは皆同じTシャツを着ている。

…小さな村までわざわざ来た人たちもいるのかもしれない。


俺の姿に怯まないところもすごい。

しかし、ここには変わった出で立ちの者が二人いた。

ライアンは俺も服など持っていないのでローズのワンピースをボタンをつけないまま着ている。
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