となりの野獣
とても窮屈そうだ。

裾も短く、机の下で体育座りしている彼は、そのあられもない借り物の小さな下着を晒している。


ジュリアはもちろん、本人の強い希望でエプロン一枚のままだった。


きっと俺の姿も仮装だと思ってくれているのかもしれない。


「では俺はこれで失礼します」

「私たちの愛の巣ね」

「違います」


あらぬところに手を伸ばそうとするジュリアを振り払った。
そこにおずおずとライアンが這い出して来て、従順な瞳で見つめる。


「…あの集団の中を行くのか…?」


思わず同情してしまいそうになった。


「どうしてあなたたちが着いていくるんですか。
第一、あなたたちは元に戻る条件を聞かされてないじゃないか」
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