となりの野獣
二人はきょとんとした。
そして、異口同音に言い放つ。


『あなた(あんた)を愛しているから分かるんだよ』


嘘だ。

軽々しく言いやがって。
このどちらも俺を愛してくれている訳はない。

何故なら俺の魔法が解けていないのだから。


「あら、困りましたわ
「野獣さん、住むところありませんよね?」


何か悪態をつここうと考ええたの代わりに、ローズが口を開いた。

その火種となったはずのローズは心配そうに口に手を当てる。

何故だろう。
この中で一番の常識人に見える。


「それに私、村長さんから隣はただの木こりさんだと伺いましたの。
野獣さんが木こりさんなら、その、斧は…」

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