勝手にハニーキス
戸惑う二人の前に現れたのは、事の発端である拓斗。
「ちょ……歩! なんでこんなに噂が広まってる訳?」
「知らねーし。まぁでも、それだけ狙ってた奴が多いって事で」
「待て待て、お前がすぐに皆忘れるって言ったんだろーが!!」
頭を抱え、がっくりとうな垂れる拓斗へ声は飛び……
「大人気じゃん、お前の元カノ」
からかう他のクラスメイトの言葉が静奈達の耳に入らないハズが無く
「……拓斗君、何か知ってるの? 」
思わず立ち上がり口を開いたのは明日香。その姿に今度は歩の顔が赤く染まっていく。
歩的には正直、静奈の件で盛り上がってくれればくれる程、自分が明日香を好きだと告白した事実が薄れるという利点がある訳で……
だからこそ、誰にも知れないようにそっと胸を撫で下ろしたい。
が、しかし……