勝手にハニーキス



4人が押し黙ったまま、沈黙から逃れるように視線を泳がせた静奈の瞳が一瞬見開いたのに気がついたのは明日香。



「どした? ほっときなって。あんな連中」



「ううん、違うの」



「違う?」



「見間違いじゃなければ……だけど」



もう、静奈は恥ずかしそうにするだけで、廊下に目をやろうとはしない。



代わりに……ときょろきょろ外を見渡した明日香が見たものは



「えぇっ!! あれって!!」



そこにいるハズのない、一学年上のバッヂをつけた数人の中。



メガネをかけ、少し伸びた髪を靡かせる優等生風の影。



「沼田……センパイ?」



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