勝手にハニーキス



-キーンコーン-



始業開始5分前のベルが鳴り響くと同時に、パラパラと見物人が減っていく。



もう……戻ったよね?



静奈がそんな願いを込めて上げた顔に、まっすぐ突き刺さるセンパイの視線。



「うわ、めちゃめちゃ可愛いじゃん!」



沼田センパイの隣にいたサル顔のセンパイが声をあげる。



それに同調するように、他のセンパイ達からも



「今あの子フリーなのかな? 付き合いてぇー」



そんな野次が飛び、矛先は再び沼田センパイへと戻る。



「お前もそう思うよな?」



くるりと1学年上の教室へ戻りながら……



「そうだな。試してみたい……かも」



呟いた声は、4人の所へも小さく届いた。



< 17 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop